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スペイン・アリカンテのお祭り「サン・フアンの火祭り:オゲラス(Hogueras)」とは?

¡Hola, bienvenida! いらっしゃいませ!

はるカタルーニャです。本日は「祭り大国として有名なスペイン・アリカンテの火祭りに関する国際文化カフェ」となっております!

ご来店いただき本当にありがとうございます(*´艸`*)

 

早速ですが、スペインのアリカンテで行われる「サン・フアンの火祭り:オゲラス(Hogueras)」について、詳しくご説明させていただきます。

スペインの祭りについて知りたい方や、アリカンテの文化、歴史を学びたい方にとてもおすすめな記事となっておりますので、是非参考にしてみてください。

ちなみにこのブログの管理人は、2022年6月のアリカンテの火祭りに参加しており、そこで見たものや学んだことを写真も含めて記事を書かせていただいております。

 

【アリカンテの火祭りって何?】巨大な人形を燃やすお祭り

まず最初に、アリカンテのサン・フアンの火祭り(Hoguerasオゲラス)について、一番最初に知りたい情報を簡単にご紹介させていただきます。

  • 国 スペイン
  • 地域 アリカンテ(スペイン東部バレンシア州)
  • 時期 6月20日〜24日
  • 目的 巨大な人形を燃やす
  • 食べ物 coca amb tonyina(コカ・アンブ・トニーナ)
  • 交通 マドリードやバルセロナ、バレンシアから飛行機や新幹線、バス
  • 言語 スペイン語、バレンシア語

 

アリカンテで毎年6月に開催される、世界的にも有名な「アリカンテの火祭り」は、バレンシアの火祭りと似ていて人形を燃やすお祭りです。

通常Hogueras(オゲラス)と表記されますが、上の写真の建物に飾ってある文字のように「Fogueres(フォゲレス)」とアリカンテ地方の方言、バレンシア語で表されることもあります。

では、そんなアリカンテの火祭りについて、ここからは詳しくご紹介させていただきます。

 

【アリカンテの火祭りの開催時期はいつ?】6月20日〜24日がメイン

アリカンテの火祭りは毎年6月20日から始まり、6月24日の夜更けに人形を燃やすことによって終了します。

しかしながら、実際に火祭りが開始される日は6月初めの週末で、金曜日の午後21時の市庁舎のバルコニーからの公式宣言されます。

その週の土日には、祭りが終わるまで毎週昼間から仮装をした人々によってパレードが行われ、本格的な火祭りを前に街はかなり賑わい始めます。

 

6月20日〜24日から前の土曜日には、午後14時から「 Mascletá(マスクレタ)」と呼ばれる大量の爆竹を使ったショーがルセロス駅の上で行われます。

その後、火祭りが終わるまで毎日午後14時から「 Mascletá(マスクレタ)」が行われ、火祭りの開催を祝います。

火祭りで燃やされる人形は大きなものと小さなものの二つ存在し、それぞれ大人の人形と子供の人形と呼ばれます。

 

子供の人形は6月19日の夜には会場(道路など)に設置され、大人の人形は6月20日の朝には完成しています。

そして、24日の深夜24時(25日の深夜0時)に人形たちは燃やされ始めます。

火祭りが終わった後も6月29日までは毎日海岸沿いで深夜0時に花火大会が行われ、人々の心に感動と素敵な体験を与えます。

 

中心地に住んでいる側からしたら、何週間も爆音が四六時中続いて、テスト前にはもう、発狂寸前まで追い込まれました(笑)

また、この祭りの時期には、海岸沿いで焚き火をする人も多く、その火を何回か飛び越えた後、海の波を何回か飛び越えると願い事が叶うと言われており、挑戦する人も多くいます。

回数に関しては、説が数多く存在するため、もしやってみたい場合焚き火をしている人に教えてもらって下さい。

 

なぜかと言うと、アリカンテの火祭りは「サン・フアンの火祭り」で、スペイン国内で同じ祭りを行なっていることもあり、地域によって回数にばらつきがあるからです。

 

【アリカンテの火祭りの見どころとは?】人形が燃やされる瞬間

アリカンテのサン・フアンの火祭り(オゲラス:Hogueras)1番の見どころは、なんといっても大きな人形が燃やされる時です。

火祭りで飾られる人形に小さなものと大きなものがあるとご紹介させていただきましたが、やはり大きなものが燃える瞬間の方がとても感動します。

これらの人形は1年単位で何百万もかけて作られます。

 

それが、一瞬で燃えてしまうと思うと、少し切なく感じますが、人形には過去一年の悪いものが詰め込まれているため、それを燃やすことによってスペイン人は新しい夏を迎えることができるんだそうです。

また、「 Mascletá(マスクレタ)」爆竹ショーもかなり盛大で、心臓が轟くほどの振動と音が伝わってきます。

かなりの爆音かつ心臓に悪いため、苦手な人は近寄らない方がいいかもしれません。

 

また、人形が燃やされる際には花火も一緒に打ち上げられ、それがまたとても美しく日本では考えられないほど近いところでみることができます。

そのため、花火のくずや熱波が伝わってきて少し危ないと感じることもあります。

ほかにも、アリカンテの火祭りの見どころはあり、それは、何十種類もある人形たちです。

 

アリカンテの街にはいくつもの人形が飾られており、それらが意味するものや伝えたいことを考えながら、街を観光することがこの祭りの楽しみの一つと言えます。

どれが最優秀賞に選ばれるかなど想像しながら街を歩くのも楽しいかもしれませんね。

また、昼間には動物や植物、魚やファンタジー系の仮装をした人々によってパレードが行なわれているので、ぜひ見に行って下さいね。

 

【アリカンテの火祭りは1日で足りる?】燃える瞬間を見たければ2日以上必要

では、アリカンテの火祭りは1日で足りるのでしょうか?

留学などでスペインに来ている場合、授業などもあるためなかなか長期休みを取れないですよね。

そんな中で気になるのが、何日で回れるのか、です。

 

結果的には、アリカンテの火祭りは1日あれば全ての人形を見ることができます。

しかしながら、メインの人形が燃えるイベントは日付が変わる時間帯なため、観光も含めて2日ほどあった方が十分に火祭りを楽しむことができると思います。

また、アリカンテの中心地だけでなく、白い街アルテアや、海がきれいなベニドルムなどにもいきたい場合は、「 Mascletá(マスクレタ)」を見るためにもより日数をとった方がいいでしょう。

 

「 Mascletá(マスクレタ)」は本当に盛大で、6月18日に私はアリカンテからバスで20分先の空港にいたのですが、煙がそこからでも見ることができました。

 

【アリカンテの火祭りの時期に食べられる料理とは?】マグロのパイ”coca amb tonyina”

スペインではその地域で有名な祭りが開催される時期にあわせて、名物料理が販売されます。

そして、アリカンテのサン・フアンの火祭り(オゲラス:Hogueras)が開催される時期に、アリカンテでは「coca amb tonyina(コカ・アンブ・トニーナ)」と呼ばれるパイが一般的に食べられます。

「coca amb tonyina(コカ・アンブ・トニーナ)」は揚げたマグロ(ツナなども)や、玉ねぎ、松の実やパプリカ、小麦粉を使って作られたパイのことです。

 

また、それと一緒に「brevas(イチジク)」も食べられ、焼かれているものや生のものもあります。

元々は、6月20日、21日で行われる行事を手伝ったボランティアに振る舞われていた料理でしたが、現在ではお祭りの初めから、住民や観光客までもがこの料理を楽しみます。

祭りは関係ありませんが、他にもアリカンテでは有名な伝統料理が存在します。

 

それは、きっと誰もが知っている「パエリア」です。

パエリアはスペインの料理として有名ですが、実はアリカンテが属しているバレンシア州が発祥の地と言われており、バレンシアの黄色いパエリアとは異なり、アリカンテのは赤色をしています。

また、アリカンテではオレンジや葡萄も有名で、オレンジジュースは注文した際にその場で機械を使って、絞ってくれます。

 

100%オレンジ且つ、果肉が混ざっているためジューシーで一瞬で飲み干せてしまいます。

ワインはアリカンテから少し離れたところにワイナリーがあり、アリカンテからのツアーもありますので、時間がありましたらぜひ行ってみて下さいね。

 

【アリカンテの火祭りにはどうやって行くの?】マドリード経由なら何処からでも行ける

では、アリカンテの火祭りにはどうやっていったらいいのでしょうか?

アリカンテまでの道のりは、とりあえずスペインに住んでいる方ならマドリードに行けば経由でアリカンテに行くことができます。

また、ビルバオやパンプローナあたりからアリカンテまでは、長距離移動バスが出ているため、費用を抑えたい場合はこちらを使うこともおすすめです。

 

バスの予約や検索に関してはOMIOというヨーロッパの交通機関を調べられるアプリが日本語で検索できるためとても便利です。

予約画面の最終ページで手数料を取られるため、それが嫌な場合は本家のバス予約サイトで行いましょう。

たまにアリカンテ行きの航空券も国内なら数千円で買えることもあるため、スカイスキャナーなどで調べてちょうど良いものを探してください。

 

【アリカンテの火祭りの注意点は何?】スリや騒音、熱波、消防士による水かけに注意!

ここからはアリカンテの火祭りに行った際に注意していただきたいことについてご紹介させていただきます。

まず、一番に気をつけてほしいことは「スリ」です。

アリカンテの火祭りが行われている間は、人形の飾られている付近でライブ会場のように人々が密着します。

 

そのため、スリによる被害の可能性が高まります。

アリカンテは元々夜も歩けるほど治安のいいところですが、地域外からの観光客も多く、治安が悪化します。

そのため、お財布を分けたり、バッグに南京錠をつけたりして、十分注意しながら行動してください。

 

また、6月24日の夜に人形は燃やされますが、間近で見たい場合は注意が必要です。

なぜなら、1時間前からはもうすでに人々が場所取りを始めており、近くで見たい場合は何時間も前から場所取りをしなければいけないからです。

一度場所取りを始めたらお手洗いや空腹も我慢する必要があるため、人によっては辛い時間を過ごすことになります。

 

何か立ちながら暇つぶしできるものを持っていくのが良さそうです。

また間近で燃える瞬間を見ると、熱波で顔が焼けそうになったり、花火のくずが飛んできて危なかったり、爆竹の音がかなり大きくて耳を痛めたりするため、その辺も踏まえて火祭りに行ってください。

そして、特に覚えていてもらいたいことは、火祭りで燃えた人形の火を消すためにいる、ホースを持った消防士に水をかけられると言うこと。

 

アリカンテの火祭りのもはや風物詩ともなっており、結構冷たいので、濡れたくない人はあまり近づかないようにしましょう。

 

【アリカンテの火祭りはどうして行われるの?】燃やすことにより悪いものをなくし、良い夏を迎えるため

では、どうしてアリカンテのサン・フアンの火祭り(オゲラス:Hogueras)は行われるのでしょうか。

アリカンテの火祭りは歴史と深い関わり合いがあります。

現在では有名人や政治家、そして前年に起こった印象的な出来事等を風刺的に描き人形にして、前年の悪いものと共に燃やして良い空気を迎えるためだと、人形作り職人は言っていました。

 

また、この火祭りを行うことにより、良い夏を迎えるためだとも言っていました。

人形を見ることにより、観光客が世界のことや環境問題などにも目を向けることになるため、意識を向けさせるためでもあるようです。

現在ではスペインの三大祭りの一つである「バレンシアの火祭り」と同じように、観光客を増やす目的も含めて行われています。

 

2022年の人形のテーマは「アジア」だったので、日本の文化の混じった人形も見ることができました。

加えて「アートを愛しましょう」と言うテーマもありました。

 

【アリカンテの火祭りの歴史とは?】最も長い昼の日(夏至)に、悪を滅ぼすため

では、そんなアリカンテのサン・フアンの火祭り(オゲラス:Hogueras)はなぜ行われるようになったのでしょうか。

かつては、昼が最も長い夏至に、アリカンテの農民は作物を収穫していました。

そして、この日は一年の中で最も夜が短く、そんな日に悪を滅ぼすために始まったと言われています。

 

この伝統はすぐさまアリカンテ市内に広まり、困った市長は

「通りでたき火を灯してはならず、サンファンの夜とその後の夜に発砲された銃弾やロケット弾は、20から100レアルの罰金の対象となる」

と言う声明を出しました。

 

それにより一時的には行われなくなったものの、1881年に市議会の見落としにより勅令が出されず、通りでまたお祭りを始めました。

そうして世界や政治に対する風刺をテーマにした人形が作られ始め、1928年にはアリカンテ市公式の火祭りが行われ始めました。

 

【アリカンテの火祭りが行われる地域の言語は何?英語は通じる?】スペイン語とバレンシア語と英語が通じる

ここからは、アリカンテで使われている言語について。

アリカンテでは主に一般的なスペイン語が使われていますが、バレンシア語と言われるアリカンテ地方特有のスペイン語に似た言語も使われています。

また、電車などのアナウンスでは、スペイン語の他にアリカンテ語と英語が使われているため、安心して旅行できるでしょう。

 

アリカンテの飲食店などでは、割と英語を話せるスタッフも多く、その辺も心配入りませんが、住民はあまり英語が得意ではないため、通り過ぎる人に何かを聞きたい場合はスペイン語が無難です。

 

【火祭りはアリカンテだけで開催されるの?】6月にスペインの約10の地域でも行われている

では最後に、サン・フアンの火祭り(オゲラス:Hoguerasはアリカンテのみの祭りなのか?についてご説明させていただきます。

なんと、アリカンテで行われるとても有名な「サン・フアンの火祭り」は、他の地域でも時期は別で行われています。

ア・コルーニャやガディス、ウェルバやレオン、トレドと言った10以上の地域で火祭りは開催されます。

 

また、三大祭りの一つである「バレンシアの火祭り」は規模がより大きく、人形を燃やすと言う点では同じようなお祭りです。

アリカンテの火祭りに行けない場合は、別の地域で火祭りを楽しむのもいいかもしれませんね。

 

【巨大な人形はどうやって作るの?】3Dプリンターで模型を作ってから、Falleroによって作られる

ここからは番外編で、私が実際に火祭りで燃やされる人形を作る工場で教えてもらったことをご紹介いたします。

まず、この大きな人形たちは「Fallero:ファジェロ」と呼ばれる人形作り職人によって作られます。

ファジェロは最初にデザインが決まってから模型を3Dプリンターで作ります。

 

その後に、実際の大きさの人形の土台を、発泡スチロールのような素材で作ります。

その上に紙でコーティングしてから、ローラーで石膏を塗り、形になってからはアクリル絵の具で色をつけていきいます。

絵の具を塗り終わったら、ニスで艶出しを行い、完成します。

 

人形の中はハリボテになっていて、木材などで支えられています。

燃やした時に有害物質が出ないように、材料にも工夫が施されています。

巨大な人形は運ぶのも大変で、警察と共に、1人形トラック5台ほどを使って運びます。

 

運んでからは時間との勝負で、命懸けで人形を作り上げます。

ファジェロによると、この最終段階では「絶対に話しかけるな」とのことでした。

なぜかと言うと、さまざまなアクシデントが必ず毎年起こり、また緊張状態が続きみんなイライラしているためなんだそう。

 

ですがそんな大変な仕事でもファジェロを続けていられるのは、街の聖人である「サン・フアン」に感謝の気持ちを伝えたいからだと言っていました。

運が悪いと完成前に人形が倒れてしまうことがあるそうです。

ですのでくれぐれも、火祭り前のファジェロには話しかけないようにしましょう。

 

まとめ

ここまで、スペインのアリカンテで有名なお祭りである、「サン・フアンの火祭り:オゲラス(Hogueras)」についてご紹介させていただきました。

今回の記事をまとめると以下のようなことが分かりましたね。

 

  • アリカンテの火祭りは、巨大な人形を燃やすお祭り
  • 開催時期は、6月20日〜24日がメイン
  • 見どころは、人形が燃やされる瞬間
  • 燃える瞬間を見たり、観光したりしたければ数日必要
  • 火祭りの時期に食べられる料理は「coca amb tonyina(コカ・アンブ・トニーナ)」といわれるマグロのパイ
  • アリカンテにはマドリード経由なら何処からでも行ける
  • スリや騒音、熱波、消防士による水かけに注意!
  • 目的は、燃やすことにより悪いものをなくし、良い夏を迎えるため
  • 歴史は、最も長い昼の日(夏至)に、悪を滅ぼすために始まった
  • 言語は、スペイン語とバレンシア語と英語が通じる
  • 火祭りはアリカンテ以外にも、スペインの約10の地域でも行われている

 

バレンシアの火祭りほど危険ではないアリカンテの火祭りは、水をかけられたり、焚き火を飛び越えたりとさまざまな伝統がありとても楽しむことができます。

もしスペインに行く予定がありましたら、ぜひ火祭りに行ってみてくださいね。

¡Muchas gracias! ご来店ありがとうございました!

 

¡Hasta luego, adiós!  また会いましょう!

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