青年海外協力隊の派遣国

【モザンビークのマコンデ語ってどんな言語?マコンデ族とは?】 地域、難易度と歴史などの基本情報

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はるカタルーニャです。本日は「アフリカの言語カフェ」となっております!

ご来店いただき本当にありがとうございます(*´艸`*)

【モザンビークってどんな国?生活は?】言語、気候や位置、衣服、食事、住居などの基本情報」でもお話ししましたが、モザンビークはポルトガル語が主に公用語とされていて、他にもマコンデ語のような言語も使われています。

 

では早速ですが、アフリカのモザンビークで使われてるマコンデ語についての様々な疑問を解消するべく、さらっとまとめてみようと思います。

この記事では、青年海外協力隊でモザンビークなど、マコンデ語が必要となる国に派遣された場合、役に立つであろう情報を載せていきます。

他にもマコンデ語の学習をしてみたい人や、アフリカに行ってみたい人、マコンデ族などの、アフリカの民族に興味がある人にもぜひ読んでいただきたいです!

 

【基本情報】マコンデ語ってどんな言葉?

そもそもマコンデ語が何かすらわからない人も多いと思います。

実際私もモザンビークについて調査するまでマコンデ語の存在すら知りませんでした。

では、マコンデ語はどこの国でどのくらいの人に話されているのか。

 

そんな基本情報をざっくりとまとめてみました。

  • 国 モザンビーク、タンザニア、マヨット
  • 話者数 134万人
  • 民族 マコンデ族
  • 語群 バントゥー語群
  • 表記体系 ラテン文字
  • 難易度 少し難しい
  • 必要学習時間目安 約900時間

モザンビークで使われている言語である、ポルトガル語やチェワ語よりは話者数が少ないですね。

それでもモザンビークを含むタンザニアとマヨットの3カ国・島で使われているみたいです!

ここまで、マコンデ語の基本情報でしたが、バントゥー語群とか、正直よくわからないことの方が多いですね。

 

それに表記文字がラテン文字だということに驚きです!

 

マヨット島とは!?

ちなみに先程マコンデ語を使う国の中にあった、聞いたことのない国名「マヨット」ですが、実際は国ではないっぽいです。

マヨットはマダガスカル島とモザンビークの海岸の間にある、コモロ諸島というの島々の中でも、フランスの海外県・海外地域圏となってる島のことです。

マヨット島を除く他の島々は独立国家コモロ連合であり、フランスに対してマヨット島の領有権及び返還を求めています。

ちょっとした観光情報ですが、人気のダイビングスポットであるラグーンや海洋保護区があるサンゴ礁のリーフに囲まれているそうなので、ぜひ行ってみたいですよね!

 

ここからはマコンデ語についてのより詳しい情報をこれから紹介していきたいと思います。

 

マコンデ族ってどんな民族?

基本情報にも出てきたマコンデ族って何!?!?

ざっくり言うとマコンデ族はマコンデ語を話す民族のことみたいです。

マコンデ族はタンザニア南部からモザンビーク北部に住む、バントゥー語族の部族のことです。木彫りの伝統を持つことで有名となっており、マコンデ語のほかにもスワヒリ語もしくはポルトガル語を話しているようです。

私たちが住んでいる日本ではあまり民族という言葉は聞かないし、使わないですよね。ですが、アフリカにはマコンデ族のような民族が数多く存在しています。

 

マコンデ族と彫刻

先程、マコンデ族は木彫りの伝統を持つことでも有名だと載せましたね。
なんと、皆さんが絶対に知ってるであろう超有名な画家である、あの「ピカソ」までがマコンデ彫刻に感銘を受けたのです。

マコンデ族の彫刻はピカソがキュービズムへ移行するきっかけになったとまでも言われています。

日本でもマコンデ彫刻はネット上で売買されているようです。

他にも日本の三重県の伊勢市には「マコンデ美術館」があるので、そこでも実物を見ることができるのでぜひ行ってみたいですよね。

 

マコンデ族の今

また、私が特に興味深かったのは「マコンデ族の今」についてです。

マコンデ族は「勇敢さ」が最も尊ばれるそうです。前記事で載せたチェワ族は、私のイメージとは異なり、社会において女性が特別な位置に置かれていました。

だから今回のマコンデ族は、やっと私のイメージ通りのアフリカの民族だ!と思ったのですが…

その「勇敢さ」のアイデンティティーとなる、入墨を顔に施すという伝統をは、現在では高齢の世代のみとなってしまっているそうです。

 

最近のマコンデ族の若者たちは入れ墨を入れず、西洋の文化にとても憧れているそうです。実際にマコンデ族の女性の中には白人に憧れて肌を白くする薬を使う人までいるとのこと。

ちょっと驚きですよね。伝統を受け継がず、新しいものを取り入れる。それも大切なことだと思います。

ですが、その一方で現地には古くからの文化もまだまだ多く残っているそうです。

 

今日本でも人気となってる有名漫画の呪術廻戦に出てくるあの「呪術」!実はマコンデ族のいるモザンビークには普通に呪術師がいて、結界などを張ってもらっているそうです。

日本では現実的にあまり馴染みのない伝統だから、一回は呪術師に会ってみたいですよね。現地の方々によると効果は抜群らしいので!

 

マコンデ語ってモザンビークの公用語?

実を言うと…マコンデ語はモザンビークの公用語ではありません!

え、モザンビークで話される言語の一つとして出てきたのに、どうしてマコンデ語はモザンビークの公用語ではないの!?

結論として言えば、モザンビークの公用語はポルトガル語だからなのです。ポルトガルの植民地だった歴史が色濃く残っていますね。

 

ならなぜモザンビークの言語を検索するとポルトガル語の他にマコンデ語などの複数の他言語も紹介されるの…?

それはヨーロッパ帝国時代の「アフリカ分割」の影響をもろに受けてしまったからです。ヨーロッパ列強同士でのぶつかり合いを避けるために、アフリカ大陸に線を引き、国として分けたのが「アフリカ分割」です。

アフリカ分割はアフリカ人のことは一切考慮されていないため同じ民族同士住んでいた地域も線が引かれて別の国にされてしまったのです。

 

だから同じ国で沢山の民族がいて、違う国にも同じ民族がいたりするんですね。

モザンビークにもタンザニアにもマコンデ族がいるのはそういった理由です。

 

モザンビーク以外でマコンデ語を使っている地域はどこ?

モザンビーク以外の国でマコンデ語を使っている地域は、タンザニアとマヨットでしたね。

残念ながら公用語としてマコンデ語を使っている地域はないようです。

 

モザンビークの学校ではマコンデ語を習う?

モザンビークの公用語はマコンデ語ではなくポルトガル語でしたね。

ではマコンデ語はモザンビークの学校では第2言語として教えているのかな…?

と思ったのですが、それも違うみたいです。

 

モザンビークの学校では、公用語としてまずポルトガル語を教えます。

そしてなんと第2言語としては6年生から英語を教え始めるそうなんです。

マコンデ語のような民族の言葉は、公用語とは別に生まれてから使われている言葉だから学校では習わないようですね。

ちなみに学校では英語、数学、社会、理科、音楽、図工、体育等が行われていますが、特に学校側もポルトガルの授業には力を入れているみたいです。

 

マコンデ語習得時間と難易度

では、一体マコンデ語習得にはどのくらいの時間がかかるの?

マコンデ語ってどのくらい難しいの?

何でも、言語を話せるようになりたいと思うと、そのことに関してはどうしても気になってしまいますよね。

と言うわけで調べてみました!

 

しかしながら、マコンデ語そのものに関する情報はなかったので、マコンデ語の語群(言語グループ)から推測してみました。

(言語グループは、私が大学の授業で習った知識です)

最初の基本情報にも載せてありましたが、マコンデ語はバントゥー語群でしたね。バントゥー語群はバントゥー諸語の中にあり、バントゥー諸語はアフリカの広い地域で話されています。

 

また、バントゥー諸語はお互いに共通性がある一群の言語となっており、豆知識ですが、言語系統的にはニージェル・コンゴ語族のベヌエ・コンゴ語群に含められます。

そんなバントゥー語群の中でも最も話者数が多いとされているのは、スワヒリ語です。

スワヒリ語の全話者数は4000万人前後とされています。

 

では、バントゥー諸語はお互いに共通性があるため、その諸語内にあるマコンデ語とスワヒリ語の難易度は似ていると推測されます。

スワヒリ語は少し難しい言語に分類されているため、チェワ語の習得も少し難しいと予想されます。

難易度の基本情報として以下を見てください。

 

やさしい言葉(必要な時間:24〜23週間/600〜750時間)

デンマーク語 ノルウェー語
オランダ語 ポルトガル語
フランス語 ルーマニア語
イタリア語 スペイン語
スウェーデン語

 

少し難しい言葉(必要な時間:36週間/900時間)

スワヒリ語 マレーシア語
ドイツ語 ハイチ語
インドネシア語

スワヒリ語はここに分類されます。

 

難しい言葉(必要な時間:44週間/1100時間)

チェコ語 ベトナム語 フィンランド語
トルコ語 ウクライナ語 グルジア語
タイ語 チベット語 ファールシー語
ギリシャ語 タグログ語 クメール語
ヘブライ語 ベンガル語 モンゴル語
ハンガリー語 アルバニア語 リトアニア語
ヒンディー語 アルメニア語 マケドニア語
アイスランド語 アゼルバイジャン語 スロバキア語
ポーランド語 ブルガリア語 スロベニア語
ラトビア語 ミャンマー語 ソマリ語
ロシア語 ダリー語
ネパール語 エストニア語

などなど、聞いたこともないような言語がありますね(笑)

 

一番難しい言葉(必要な時間:88週間/2200時間)

日本語 韓国語
日本人からしたら簡単
アラビア語 中国語
(広東語と北京語)

 

やはり日本語は世界的に見ても難しいみたいですね。異常と言われるまでにも(汗)

ひらがな、カタカナ、漢字と使い分けが多く、言語の進化も早いうえに毎年新しい言葉が数多く作られているので難しいとされるのは当たり前なのですが…

 

マコンデ語は最低でも36週、900時間の学習が必要となると予想されます。

 

どうしてモザンビークではマコンデ語が使われている地域があるの?

モザンビークではポルトガル語以外にもマコンデ語や様々な言語を使っています。

でもよく考えてみると、私たち日本では殆どの地域で日本語のみを使っています。

 

北海道のアイヌ語や沖縄の沖縄語(うちなーぐちと言います)、本州では、あっても方言程度ですよね。

では、同じ国の中で、言語的性質の違うマコンデ語を話す地域と他の言語を話す地域ができてしまったのはなぜなのでしょうか。

それは、アフリカには多様な民族言語グループが存在していたのにもかかわらず、そのことを無視して、ヨーロッパ列強が勝手に境界線を引いてアフリカを分割したからです。

 

モザンビークを含むアフリカの歴史と問題

モザンビークなどのアフリカ地域の歴史を知る上で、キーワードにもなつつある「アフリカ分割」は、1880年代から1912年にかけて、ヨーロッパの列強(ポルトガル、スペイン、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ベルギー)によってくり広げられたアフリカの奪い合いによりおきました。

 

アフリカを自国の植民地にするために、ヨーロッパでは激しい争いが生まれ、それを平和的に解決するべく、ベルリン会議の合意に基づき、アフリカは分割されることになったのです。

この「アフリカ分割」は、アフリカに住む人々のことを一切考慮されていません。

アフリカ分割の結果、独立を維持できたのはリベリアとエチオピアのわずか2ヶ国のみでした。

 

そして、アフリカ分割後、その影響として様々な問題が起きています。

アフリカの国々が独立する上で、ヨーロッパ列強はアフリカ人から奪った土地を売却しました。

その費用は莫大で、アフリカ諸国はいまだに多額の借金を抱えています。

 

言語が国によって異なってしまったのもその影響ですね。

アフリカの闇は思った以上に深いようです。

 

まとめ

モザンビークで話されるマコンデ語についてここまでまとめてきましたが、思った以上にマコンデ族は興味深かったですね。

まさかあのピカソがアフリカのマコンデ族の彫刻に感銘を受けていたなんて知らなかったです。

実際、ピカソがマコンデ族の彫刻と出会っていなければ、数々の名作たちは今なかったはずですから、マコンデ族本当にすごい!!

私が実際にスペインの首都マドリードの、ソフィア美術館で見た「ゲルニカ」もマコンデ族の影響があったと思うとちょっと興奮しちゃいます(笑)

どんな些細なことも、青年海外協力隊としてアフリカに派遣されるならコミュニケーションをとるためには、知っておくべき情報でしたね。

 

¡Muchas gracias! ご来店ありがとうございました!

¡Hasta luego, adiós!  また会いましょう!

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