
¡Hola, bienvenida! いらっしゃいませ!
はるカタルーニャです。
本日は「祭り大国として有名なスペイン・アリカンテの火祭りに関する国際文化カフェ」となっております!
ご来店いただき本当にありがとうございます。
早速ですが、スペインのアリカンテで行われる「サン・フアンの火祭り:オゲラス(Hogueras)」について、詳しくご説明させていただきます。
スペインの祭りについて知りたい方や、アリカンテの文化、歴史を学びたい方にとてもおすすめな記事となっておりますので、是非参考にしてみてください。
- アリカンテの火祭り(オゲラス)に行ってみたいけれど、何から準備すればいいかわからない方
- お祭りの日程や見どころを効率よく回り、最大限に楽しむためのプランを知りたい旅行者の方
- 火祭り期間中の生活(騒音、交通、治安)がどうなるか気になるアリカンテ在住・留学中の方
- 巨大な人形をただ見るだけでなく、その背景や楽しみ方のコツまで深く知りたい方
- 実際に火祭りを体験した人の、リアルな感想や失敗談を参考にしたい方
毎年6月、スペイン・アリカンテの街は、熱狂と炎、そしてアートに包まれます。
それが、「サン・フアンの火祭り(Hogueras de San Juan)」です。



巨大な人形を燃やすって本当?



旅行で行きたいけど、どう計画すればいいの?



留学中だけど、期間中はうるさくて勉強できないって本当?
そんな疑問や不安を解消すべく、アリカンテの火祭りに実際に参加した私が、観光客目線と留学生目線の両方から、この最高のお祭りを120%楽しむための完全ガイドをお届けします。
私のリアルな体験を加えて、プランニングから当日の楽しみ方、注意点まで、この記事一本で全てがわかるように解説します!
- 初心者でも安心!火祭りの全イベントを時系列で追いながら、具体的な楽しみ方がわかる
- 留学生・旅行者それぞれの目線に立った、宿泊施設の確保術や予算感、持ち物リスト
- スリ、騒音、交通麻痺など、事前に知っておくべきリアルな注意点とその完全対策
- 祭りのクライマックス「ラ・クレマ(焼却)」を最高の場所で見るための場所取りのコツ


サン・フアンの火祭り(Hogueras)とは?まずは基本を押さえよう


まず最初に、アリカンテのサン・フアンの火祭り(オゲラス)について、一番最初に知りたい情報を簡単にご紹介させていただきます。
- 国:スペイン
- 地域:アリカンテ(スペイン東部バレンシア州)
- 目的:巨大なアート人形を燃やし、悪いものを浄化して夏の到来を祝う
- 食べ物:coca amb tonyina(マグロのパイ)と brevas(イチジク)
- 言語:スペイン語、バレンシア語、観光地では英語も通じやすい
通常Hogueras(オゲラス)と表記されますが、バレンシア語では「Fogueres(フォゲレス)」と書かれることもあります。
街中で両方の表記を目にするはずです。


【時系列ガイド】いつ、何が起こる?火祭りイベント完全攻略


火祭りは、ただ人形が燃えるのを待つだけではありません。
メインの5日間は、毎日イベントが盛りだくさん!
効率よく楽しむための流れを掴みましょう。
6月前半~19日:プレ期間と準備
6月に入った最初の週末から街はお祭りムードに。
金曜の夜に市庁舎で公式宣言が行われ、週末にはパレードが始まります。
そして19日の夜には子供の人形(Hoguera Infantil)が設置され、いよいよ祭りの本番が近づいてきます。
6月20日:プランタ(La Plantà)~街が美術館に変わる日~
深夜から早朝にかけて、職人たちが作り上げた巨大な大人形(Hoguera Mayor)が、クレーンなどを使って街の交差点や広場に設置されます。
朝、街に出ると一夜にして巨大なアート作品が出現している光景は圧巻です。
6月18日頃~24日 毎日14:00:マスクレタ(Mascletà)
ルセロス広場(Plaza de los Luceros)で行われる、大量の爆竹による音とリズムのショー。
もはや爆発音のオーケストラです。
地面が揺れ、心臓に直接響く轟音と火薬の匂いは、アリカンテの夏の風物詩。
私が空港にいた時でさえ煙が見えたほどの規模で、苦手な人は本当に近寄らない方がいいかもしれません。
6月24日深夜:ラ・クレマ(La Cremà)~祭りのクライマックス~
ついに祭りの最終日。
24日の深夜24時(つまり25日の0時)に、市庁舎広場の人形に点火される「パルメーラ」という巨大な花火を合図に、市内に飾られた大小すべての人形が一斉に燃やされ始めます。
1年かけて何百万もかけて作られた人形が、過去1年の悪いものを詰め込んで一瞬で燃え去る姿は、切なくも感動的。
スペイン人が新しい夏を迎えるための大切な儀式です。
6月25日~29日:ポスト期間の花火大会
祭りが終わっても楽しみは続きます。
毎日深夜0時に海岸(Playa del Postiguet)で花火大会が開催され、祭りの余韻に浸ることができます。
【プランニング】何日必要?どうやって行く?


滞在日数の目安
最低でも2日は確保するのがおすすめです。
1日あれば街中の人形を見て回ることは可能ですが、メインイベントの「クレマ(焼却)」は深夜に行われるため、翌日の移動は大変です。
観光も含めてじっくり楽しむなら、2泊3日あると安心です。
アリカンテへの行き方
スペイン国内なら、まずはマドリードを目指せば、そこから飛行機、新幹線(Renfe)、バス(Alsaなど)でアリカンテへ行けます。
費用を抑えたいならバスがおすすめですが、航空券もスカイスキャナーなどで探すと、国内線なら数千円で見つかることもあります。
ちなみに私がヨーロッパ間を移動していた際に使っていたのが、日本語対応の【Omio/オミオ】というサイトです。
アプリもあり、日本にいながらヨーロッパ間の国の移動手段や料金を調べるられます!
パリからモン・サン・ミシェルに行きたい時、TGV(フランス国鉄)でレンヌ駅経由するとかなり料金が上がるのですが、【Omio/オミオ】ではバスやシェアカーを使うプランも提案してくれて、よりお得に旅することができました。
日本の旅行サイトでは手配しにくい都市間を結ぶバスなども大体は予約ができます。
移動手段が気になったらまずは【Omio/オミオ】で検索してみてください!


【最重要】火祭りを楽しむための注意点|体験者が語るリアル


最高の祭りですが、注意点もたくさんあります。
私の経験から、これだけは知っておいてほしいことをまとめました。
1. スリ対策は万全に!
普段は治安の良いアリカンテですが、この期間は別世界。
人が密集する場所ではスリが多発します。
バッグは前に抱え、貴重品は分散させるなど、自己防衛を徹底してください。



スリの標的にされたり、観光案内料を請求されたりと、海外では危険な場面に遭遇することがあります。
特に、貴重品を持ち運ぶバッグ選びは重要です。
胸の前にかけられるショルダーバッグや、鍵付きのバッグ、カラビナを取り付けられるタイプなど、防犯性の高いものを選びましょう。
狙われにくいバッグを選ぶだけでも、海外でのトラブルを事前に防ぐことができます。



私が普段愛用しているのはこちらのバッグです!


旅をしている時は、100均のカラビナか南京錠を取り付けて簡単に開けられないようにしています。
写真撮影もするので、実はファッション性も重視して選んでいます。
みなさんも是非自分のお気に入りの対策バックで旅をしてくださいね!
2. 場所取りのリアル
クレマを間近で見たいなら、最低でも1~2時間前から場所取りが必要です。
一度場所を取ったらトイレにも行けないので、水分補給は控えめに。
暇つぶしできるスマホの充電も忘れずに。
3. 近すぎる炎と爆音
間近で見るクレマは、熱波で顔が焼けそうになり、花火の燃えカスも飛んできます。
マスクレタやクレマの爆竹音は鼓膜を痛めるレベルなので、耳栓があると安心です。
4. 消防士の水かけ「バニャー(Banyà)」
燃え盛る人形の火を消す際、消防士たちが観客に向かって豪快に放水します。
これは「Banyà(水浴び)」と呼ばれるお祭りの一部。
濡れたくない人は、絶対に消防士に近づかないように!結構冷たいです。
5. 留学生の敵「騒音」
祭りの期間中、街は24時間お祭り騒ぎです。
特に期末テストの時期と重なる留学生は注意が必要。
私は発狂寸前まで追い込まれました(笑)。
勉強に集中したい場合は、図書館に避難するか、高性能な耳栓が必須です。
【深掘り】祭りの背景を知るともっと面白い


なぜ燃やすの?祭りの目的と歴史
元々は、一年で最も昼が長い夏至の日に、農民が収穫を祝い、悪霊を追い払うために火を焚いたのが起源。
それが街に広がり、風刺人形を燃やす現在の形になりました。
人形職人(Fallero)に聞いたところ、「前年の悪いものを燃やして良い夏を迎え、アートを通して社会問題に目を向けてもらうため」だと話してくれました。
人形はどうやって作るの?職人の世界を覗き見
私が工場で見せてもらった工程は驚きの連続でした。
- デザインを決め、3Dプリンターで模型を作成。
- 発泡スチロールのような素材で巨大な土台を作る。
- 紙と石膏でコーティングし、アクリル絵の具で着色。
- ニスで艶出しをして完成。中は木材などで支えられたハリボテ構造。
運搬はトラック5台を使い、警察の先導で行う一大プロジェクト。
設置作業は時間との戦いで、職人たちは非常に緊張しています。
「この時期のファジェロには絶対に話しかけるな」と釘を刺されたほどです。
彼らの魂がこもっているからこそ、燃える姿が感動を呼ぶのですね。
【火祭りの豆知識】なぜ燃やすの?知れば10倍楽しい祭りの歴史





そもそも、なぜこんなに盛大に人形を燃やすの?
その答えは、アリカンテの歴史の中にありました。
知れば、燃え盛る炎がまた違って見えてくるはずです。
起源は夏至の「浄化の炎」
この祭りのルーツは古く、キリスト教が広まる以前の土着の風習にまで遡ります。
かつてアリカンテの農民たちは、一年で最も昼が長い夏至の日に作物を収穫し、その夜に火を焚いていました。
この炎には、その年の収穫を祝い、同時に悪霊や悪いものを焼き払って浄化するという意味が込められていたのです
これが、サン・フアンの火祭りの原点と言われています。
市民の楽しみ vs 市長の悩み
この「浄化の焚き火」の伝統は、やがて農村からアリカンテの市街地へと広まっていきました。
しかし、街中で火を焚き、銃やロケット花火まで打ち上げる市民の姿に、当時の市長は頭を悩ませます。
火事や騒音の問題から、ついにこんなお触れを出しました。
「通りでたき火を灯してはならず、サン・フアンの夜とその後の夜に発砲された銃弾やロケット弾は、20から100レアルの罰金の対象となる」
この禁止令により、市民の楽しみは一時的に下火になってしまいました。
まさかの「うっかりミス」で復活!そして公式の祭りへ
祭りの歴史が大きく動いたのは1881年。
なんとこの年、市議会がうっかりミスで禁止令の更新を忘れてしまったのです!
この機を逃さず、市民は再び通りで盛大に火を焚き始めました。
そして、この復活を機に、ただ火を焚くだけでなく、当時の政治や社会を風刺した人形(ニノット)を作って燃やすという、現在に繋がるスタイルが生まれていきました。
この新しい形の祭りは市民の心を掴み、熱気はどんどん高まっていき、ついに1928年、アリカンテ市の公式行事として「サン・フアンの火祭り」が正式に誕生したのです。
農民の素朴な風習が、一度は禁止されながらも市民の情熱とユーモアによって復活し、アートと風刺の祭典へと進化していった。
そんなドラマチックな歴史が、この祭りには詰まっているのです。
【火祭りグルメ】この時期しか味わえない!必食の名物料理とアリカンテの味覚


祭りの楽しみは、見るだけではありません。
この時期にしか食べられない特別な料理や、アリカンテならではの美味しいものがたくさんあります!
主役はこれ!マグロのパイ「Coca amb tonyina」
サン・フアンの火祭りの時期にアリカンテの街を歩いていると、パン屋さんや屋台の店先に必ず並ぶのが、「Coca amb tonyina(コカ・アンブ・トニーナ)」です。
これは、サクサクのパイ生地に、揚げたマグロ(ツナ)、玉ねぎ、松の実、パプリカなどを詰めて焼き上げた、アリカンテのソウルフード。
元々は祭りの準備を手伝うボランティアのために振る舞われていたそうですが、今では誰もが楽しむ火祭りの定番料理です。香ばしくて少し塩気のあるパイは、お祭りで歩き疲れた体にぴったり!
そして、このパイと必ずセットで食べられるのが、甘くてジューシーな「Brevas(ブレバス)」と呼ばれるイチジクの一種。塩気のあるパイと、果物の自然な甘みの組み合わせが、まさに至福のコンビネーションです。
火祭り以外でも楽しみたい!アリカンテの絶品グルメ
せっかくアリカンテに来たのなら、火祭りの名物以外もぜひ味わってみてください。
地元のワイン
アリカンテはワインの名産地でもあります。
市内から少し足を延せばワイナリーも点在しており、見学ツアーなども開催されています。
スーパーでも安くて美味しい地元のワインがたくさん手に入るので、お土産にもおすすめです。
本場のパエリア
実は、世界的に有名なパエリアは、アリカンテが属するバレンシア州が発祥の地。
一般的なサフランで色付けされた黄色いパエリアとは違い、アリカンテ風のパエリアは「ニョーラ」というパプリカの一種を使うため、少し赤みがかった色をしているのが特徴です。
ぜひ本場の味を食べ比べてみてください。
搾りたてオレンジジュース(Zumo de Naranja Natural)
カフェやバルで注文すると、その場で専用の機械を使ってオレンジを丸ごと搾ってくれます。
果肉たっぷりの100%フレッシュジュースは、濃厚でジューシー!あまりの美味しさに、一瞬で飲み干してしまうこと間違いなしです。
アリカンテだけじゃない!スペイン各地に広がる「火祭り」文化





6月にアリカンテへ行くのは難しい…でも、火祭りを見てみたい!
そんな方も、がっかりする必要はありません。
実は、「サン・フアン(聖ヨハネ)の夜」を祝う火祭りの文化は、スペイン全土に根付いているのです。
スペイン各地で開催される「サン・フアンの火祭り」
アリカンテの「オゲラス」は、夏至を祝う「サン・フアンの祭り」としてはスペインで最も有名で大規模なものの一つですが、決して唯一の祭りではありません。
同じく6月24日前後には、スペインの様々な地域で、それぞれの伝統に基づいた「サン・フアンの火祭り」が開催されます。例えば、以下のような都市が有名です。
- ア・コルーニャ(ガリシア州)
- カディス(アンダルシア州)
- ウエルバ(アンダルシア州)
- レオン(カスティーリャ・イ・レオン州)
- トレド(カスティーリャ=ラ・マンチャ州)
人形を燃やす形式もあれば、ビーチで巨大な焚き火をするのがメインの地域もあり、祝い方は様々。もし旅程が合うなら、他の都市のサン・フアンの祭りを探してみるのも面白いかもしれません。
【要注意】バレンシアの火祭り(ラス・ファジャス)との違い
ここで多くの人が混同するのが、同じく「巨大な人形を燃やす」ことで有名なバレンシアの火祭り(Las Fallas)です。
人形を燃やすという点は同じですが、こちらはスペイン三大祭りの一つに数えられるほど規模がさらに大きく、決定的な違いは開催時期です。
- アリカンテの火祭り(Hogueras):6月
- バレンシアの火祭り(Fallas):3月
「春に人形を燃やすのがバレンシア、夏に燃やすのがアリカンテ」と覚えておくと良いでしょう。
もしアリカンテの火祭りが気に入ったら、ぜひ春にバレンシアを訪れて、その違いを体験してみるのもおすすめです。


まとめ:一生の思い出になる情熱の祭りへ!


この記事のポイントをまとめます。
- アリカンテの火祭りは、巨大な人形を燃やして夏の到来を祝う情熱的なお祭り。
- メイン期間は6月20日~24日。見どころは毎日開催されるマスクレタと、最終日の深夜に行われるクレマ(焼却)。
- 名物料理「coca amb tonyina(マグロのパイ)」は必食!
- スリ、騒音、熱波、消防士の水かけには十分注意が必要!
- 祭りの起源は、夏至の日に悪を滅ぼすための焚き火から始まった。
バレンシアの火祭りほど規模は大きくありませんが、その分、地元の人々との一体感を感じられ、水をかけられたり焚き火を飛び越えたりと、参加型の楽しみが多いのがアリカンテの魅力です。
ぜひこの熱気を体験しに、アリカンテを訪れてみてください!



¡Muchas gracias! ご来店ありがとうございました!



¡Buen viaje!(良い旅を!)